活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

Section 1 金属活字と印刷工場と書体のこと

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2019年1月26日に櫻井印刷所が約30年ぶりに活版印刷工場を復活させた。typeKIDSでも、その活版印刷工場を見学させていただけることになった。

 工場の外観は、ほしおさなえさんの小説『活版印刷日月堂』に出てくる印刷所「三日月堂」を思わせる懐かしさあふれる佇まいだ。

櫻井印刷所の松崎さんに案内していただきながら、活字を中心に見学させていただいた。櫻井理恵社長も駆けつけてくれた。

活字は、これでも往時の半分ぐらいだとか。どういう活字書体があって、どういうタイプサイズがあって、どういう字種で揃えられているのか、伺った時点では詳しいことはわからなかった。

だが、活字メーカーで多彩な活字書体が用意されていても、小さな活版印刷工場では、活字を置くスペースも限られており、活字を購入する費用もかかるので、当面の仕事に必要なだけの活字書体、タイプサイズ、字種に限定されることは容易に想像できる。

錦精社の活字書体見本帳が置かれていた。多彩な書体が掲載されている。木製の植字台には、罫線の種類もたくさん置かれていた。活字は文選・植字をして、印刷されることで、はじめて目に見えることになる。

 

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SWAN75という全自動の印刷機があった。半自動の手フートもある。他にも、込物選別機や樹脂板を作る機械、罫線を必要に応じて切る機械も。いろいろ興味をそそられる。