活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

岩井志麻子『岡山女』と「さきがけ龍爪M」と和気閑谷高校と

 

岩井志麻子さんの『岡山女』は第124回(2001年)直木賞候補となった小説ですが、興味のある分野ではなかったので読んでいませんでした。

昨年、角川ホラー文庫・新装版(2022年)が出版され、そのジャケットデザインに「かもめ龍爪M」(推測)が使われていたので、話の種に買っておきました。

 

『創立325年記念誌』(岡山県立和気閑谷高等学校、1995年)に、岩井志麻子さんが寄稿されていました。岩井さんは昭和58年卒ですから、私の10年後輩ということになります。当時のペンネームは竹内志麻子で、備前市在住でした。

寄稿文の一部を引用します。

誇るべきものもなく、恥ずべきものもないというのが、軽やかな人生の条件だ。

幸福の絶頂にいる人と不幸のどん底にいる人は同窓会に出ない、というのは真実だ。

卒業した学校なんてものは、過剰な思い入れなしに淡々と語り合えてこそ、愛しいわが母校、である。

ちなみに私は、同窓会には必ず出席する。

こういう〝ほどほどの自分〟を演出してくれる〝ほどほどの和気閑谷高校〟に〝ほどほどの愛情〟を持ちつつ。

 

この時から30年近く経ちますが、今はどうなのでしょうか?

 

ということで……

kindle版『岡山女』を、本文書体「KOさきがけ龍爪M」で読むことにしましょう。