活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

琴棋洞日暦[随筆編]

歌い手のはなし7

……… 『Isn’t It Romantic?』(doLuck Jazz、2018年)は、2018年6月初めに前橋市・夢スタジオで録音されたものです。次のアルバムの計画もあったようですが、新録音としてはこれが最後になりました。 「When You Wish Upon A Star」から始まり、同曲の日本語…

歌い手のはなし6

……… 『弘田三枝子・じゃずこれくしょん』(日本コロムビア、2006年)という8枚組のCD-BOXから、2008年に単体として再発売されたのが『My Tapestry』(MSI、2008年)と『MICO JAZZING』(MSI、2008年)です。 『My Tapestry』を聴いた時、ひっくり返りそうに…

歌い手のはなし5

……… 弘田三枝子さんは、あらゆるジャンルの楽曲を貪欲なまでに受け入れ、それに合わせた歌唱法を編み出していきます。そして流行のサウンドも取り入れていきます。 『華麗度 MICO is Kaleidoscope』(MSI、1998年)は、新曲「I STILL LOVE YOU BABY」で始ま…

歌い手のはなし4

……… 40代の弘田三枝子さんは原点回帰とも言えるアルバムを出しています。『MICO IS BACK』(ART MICO、1990年)は、個人レーベル「ART MICO」から限定発売されたものです。弘田三枝子・作曲による「雪色のサンバ」のほかは、1960年代のヒット曲のセルフカバ…

歌い手のはなし3

……… 弘田三枝子さんは30代になって、現在でも名盤と言われている2枚のアルバムを発売しています。『Step Across』(CBSソニー、1978年)と『TOUCH OF BREEZE』(キングレコード、1983年)です。 『Step Across』は、リチャード・デイヴィスをプロデューサー…

歌い手のはなし2

……… 20代の弘田三枝子さんはさらに多彩な活動を繰り広げています。1970年から1977年までに、ポピュラー、ジャズ、リズムアンドブルース、ソウルミュージックなど、ジャンルを超えて、10枚のアルバムがリリースしているほか、ライブ盤も数枚発売されています…

歌い手のはなし1

……… 2020年夏、日本を代表する歌い手が亡くなりました。弘田三枝子さん。多くの方が追悼のコメントを寄せていますが、私のCDコレクションから音楽的な足跡を辿ってみることにします。 あらためて東芝音楽工業(現ユニバーサルミュージック)時代のヒット曲を…

組み見本の文章のためのエッセイ

…… 拙著『欣喜堂組み見本帖 和字書体・漢字書体・欧字書体 混植への提案』(有限会社今田欣一デザイン室、2017年・2018年)では、「文章組み見本」として、それぞれの活字書体に合わせて、数ページの文章を書いてみた。 KOまどか蛍雪M「米のはなし」 KOすず…

衣・裳のはなし9

岡山県を本拠地とする、女子バレーの岡山シーガルズ、女子サッカーの岡山湯郷ベルは、どちらもクラブチームである。だからユニフォームにパートナー、スポンサーの名前が入っている。岡山シーガルズは胸に「SEAGULLS」とあり、その脇にパートナー企業の名前…

衣・裳のはなし8

高校時代の体操服はワインレッドだった。ブルー、グリーン、ワインレッドのローテーションで、学年ごとに色違いになるように決められていたのだ。柔道の国際大会で、ブルーの柔道着が登場したときには違和感を覚えたが、観戦するのにはわかりやすくなったと…

衣・裳のはなし7

ひとくちに作業服と言ってもいろいろだ。スモックは事務服のほか、絵画や工芸の作業着としても使われる。割烹着は家事をするときに着用するスモックの一種だろう。オーバーオールやエプロンも作業用として広く着用されている。作務衣は禅宗の僧の作業着であ…

衣・裳のはなし6

ファッションとは流行のことである。祖父母も父母も流行というものに敏感ではなかったように思う。私も若い頃から服装には無頓着だった。他人からどう見られるかというよりも、自分の着心地を優先していた。だからファッションについての知識もない。 何より…

衣・裳のはなし5

はじめてのスーツは、大学への入学が決まったときに両親がつくってくれた。親戚にテーラーの人がいて、生地を選んで、採寸をして、仕立ててもらった。紺ではなく青いスーツだった。後にも先にもオーダーメイドのスーツはこれだけだった。 会社に入ってからは…

衣・裳のはなし4

プロ野球の西武ライオンズの創設時のビジター用ユニフォームは、上下ともにブルーだった。上下同色のものはあまり見ないものだったのだが、作業服みたいだといわれて評判がよくなかった。しばらくして、下は白になったと記憶している。 奇抜さでいえば、太平…

衣・裳のはなし3

平成になって、作業服が一新されるという情報が舞い込んできた。どんな作業服になるのか期待していた。が、思ったようなものではなかったのでがっかりしたものである。作業服は作業服なのだから、まったく変わるわけはなかったのだ。まず布地が変わった。色…

衣・裳のはなし2

会社に入ってすぐに作業衣を支給された。上着とズボンと帽子。上着は、冬服・夏服・合服、それぞれ二着。ズボンも二本、帽子もふたつ。色は濃いグレー、ボタンで留めるタイプで、まさに昭和の町工場のようであった。機械の製造部門もあったので、それに合わ…

衣・裳のはなし1

高校生まで、通学のときはもちろん、外出のときも常に制服だったと思う。詰め襟の黒い学生服だった。一種の装飾としてプラスチック製の白い襟カラーが付いていたが、首にすれて痛いので取り外していた。今はもうこういったタイプの学生服は少なくなっている…

読み手と語り手と9

テレビドラマやバラエティー番組のナレーション、美術展や古典芸能でのナレーターガイド、朗読CDなど、読み手や語り手の声や読み方で印象が変わる。その場の適性を考えて、誰に読んでもらうかが考えられているのだろう。 アナウンサーが読むのと、声優や俳優…

読み手と語り手と8

『声に出して読みたい日本語』(斎藤孝著、草思社、2001年)が出てから15年になる。声に出して読みたくなる口上や早口言葉、古典の名句を集めた暗誦のテキストで、その後も『声に出して読みたい日本語6』までシリーズされた。『子ども版声に出して読みたい…

読み手と語り手と7

通信教育マニアの私は、若いころに「NHK話しことば講座」を受講したことがある。もう30年も前のことなので、当時の資料などは処分して何もないのだが、カセットテープに課題をA面に録音して送り、講師の方がB面に講評をして返送してくれるということだ…

読み手と語り手と6

かなり前(2008年)の雑誌『サライ』の「おくのほそ道を旅する」という特集号で、元NHKの松平定知による朗読CDが付録になっていた。松尾芭蕉の「おくのほそ道」の前文が一時間あまりで聴くことができる。久しぶりに聴いてみたが、ただ黙読するのとは違…

読み手と語り手と5

バラエティー番組のナレーターといえば、やはり「ぶらり途中下車の旅」の滝口順平を挙げないわけにはいかない。そのほのぼのとした語り口に引きつけられた人は多いのではないかと思う。 「ぶらり途中下車の旅」のナレーターは、2代目を藤村俊二がつとめたあ…

読み手と語り手と4

テレビドラマのナレーターとして、まず思い浮かぶのは芥川隆行である。私が一番印象に残っているのは「キーハンター」だ。毎週楽しみにしていた。それから「Gメン’75」もそうだった。ときどきしか観なかったが「水戸黄門」、「大岡越前」、「江戸を斬る」も…

読み手と語り手と3

85歳になる私の母は、今でも朗読ボランティアの活動をしている。もう20年近くにはなるのだろう。ずっとカセットテープに録音していたので、カセットテープが数多く保存されている。最近はCDに録音するようになったので、新しい機器に慣れるのがたいへんだっ…

読み手と語り手と2

歌舞伎座での鑑賞では、私のような万年初心者にとって、イヤホンガイドは必須である(イヤホンガイドというのは登録商標とのこと)。こちらも台本があり、あらかじめ録音したものだそうだが、オペレーターの機器の操作により、場面場面に合わせてタイミング…

読み手と語り手と1

きょうのTBSラジオ「生活は踊る」で、現在、東京都美術館で開催中の「ゴッホとゴーギャン展」のナレーションガイドが話題になっていた。このナレーションガイドの作品解説を担当しているのが、「生活は踊る」のパートナー、堀井美香アナウンサーなのだ。 声…

空気のはなし9

一般に「空気のような」という比喩は、いい意味で使うことは少ないようだ。「いるかいないかわからない」とか「存在感のない」とか「目立たない」とかいうマイナスのイメージで捉えられることばである。 「なくてはならない」、あるいは「安心感のある」とい…

空気のはなし8

和語に空気そのものにあたる語彙はない。そのかわりに、人が感じることばがある。においであったり、肌触りであったり、景色の見え方であったりする。 空気の純粋な成分以外の邪魔な物質をのぞいたときに、人は心地よく感じるのである。よけいなことをしては…

空気のはなし7

空気は無色透明なので見ることはないが、首都圏では富士山が見えるかどうかというのが空気の透明度を知るための目安になっている。東京都では、都庁から見える富士山の日数を公表しているそうだ。空気中のちりが少なければ、見通しがきく距離が大きくなるの…

空気のはなし6

室内の空気調整について実用的なのは「空気清浄機」だろう。20年以上前になるが、気管支ぜんそくになりかけたとき、通信販売の広告を見て安価な空気清浄機を買ったことがある。ペットは飼っていないし、タバコも吸っていないが、ハウスダストやカビには効果…