活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

パッケージ部門 entry No.1–3

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2014年

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和菓子「草加 葵の倉」の包装

なにか埼玉県らしい手みやげで、日持ちのよいものはないだろうかと池袋東武百貨店で物色していたところ、1階で「草加葵の倉」という和菓子店をみつけた。草加せんべいなら埼玉県らしいし、もちろん日持ちもいい。しかも、店内の看板には「きざはし金陵M」で組まれたロゴが大きく掲げられているではないか。

「株式会社 草加葵」は、大正5年の創業である。以来80有余年の歴史を有し、現在では草加せんべい専業企業として日本一の売上げ及び生産量を記録しているという。「草加葵本舗」というブランドでは、産地・素材にこだわった草加せんべい、あられを製造している。加えて「花華遊楽 葵の倉」では和菓子の製造も行なっている。

草加 葵の倉」は、「和」と「洋」のセンスを取り入れたオリジナルせんべい、おかきのブランドで、池袋東武百貨店のほかにも、まるひろ川越店、松坂屋上野店、高島屋大宮店など多くの百貨店に出店している。

残念ながら、百貨店の決まりごとで店内の写真撮影はNGだということであった。シンボルマークとブランド名のロゴタイプの入った看板があり、商品ケースにも、このシンボルマークとロゴタイプのバリエーションが使われている。

紙袋の両サイドに「草加 葵の倉」というブランド名が「きざはし金陵M」で縦に組まれている。包装紙はシンボルマークだけで構成されたものであったが、同じイメージカラーなので、統一感がある。

購入したのは「海千楽」という、富山湾白えび、瀬戸内青のり、富山湾ほたるいか、磯の香うに、駿河湾桜えび四万十川青さのりの詰め合わせセットであった。もちろん箱も個別包装も「きざはし金陵M」で統一されている。

ほかにも、バージンオリーブオイルなど欧風せんべい、おかきの詰め合わせ「欧千楽」、草加ふくみせんなど伝統的なせんべい、おかきの詰め合わせ「草千楽」、そして海千楽と欧千楽を合体した「葵千楽」があり、これらの箱と個別包装は「きざはし金陵M」で組まれている。

店内に商品を説明した小冊子が置かれていた。「きざはし金陵M」がふんだんに使われている。全部ではないところが、ちょっとだけ惜しい。箱の中に入れられていたカードは、表はイメージカラーにシンボルマークとロゴタイプの組み合わせだが、裏には店主のことばが「きざはし金陵M」で組まれている。

老舗なのだが、新しい試みのブランドである。そういったところが「きざはし金陵M」のイメージと重なるということなのだろう。

 

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2016年

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※にっぽんCHACHACHA川越ストアの許可を得て撮影しました。

おみやげグッズ「川越ハンカチ」の帯封

にっぽんCHACHACHAは、雑貨類の企画、製造、販売を行っているスーベニール株式会社(京都市)が運営するブランドのひとつである。川越ストアのほか、新宿ストア、浅草ストア、函館ストア、成田ストア、博多ストア、由布院ストア、沖縄ストアがあり、全国展開している。

「日本のおみやげをもり上げよう!」を合言葉に、日本のみやげ文化をもっと魅力あるものにもり上げたいという想いで、日本の新しいおみやげを提案しているということだ。

川越ストアは2016年7月にオープンした。もともとタバコ屋さんだった建物なので、木のぬくもりに溢れた店舗である。川越ストアの限定商品「川越ハンカチ」の帯封に、くれたけ銘石Bが使われているのを発見した。店内のディスプレイにもくれたけ銘石Bがよく使われている。

「川越ハンカチ」は、川越のシンボルの「時の鐘」と名物の「サツマイモ」が刺繍された六種類が用意されている。

時の鐘は、蔵造りの町並みにひときわ高くそびえる川越のランドマークだ。江戸時代初頭に当時の川越藩主だった酒井忠勝によって創建されたといわれる鐘楼である。時代が変わり、鐘つきの方法が機械仕掛けへと変化しても、午前6時・正午・午後3時・午後6時の1日4回、時を告げている。この鐘の音は、「残したい日本の音風景百選環境省」に選定されている。

川越イモの栽培が盛んに行われるようになったのも江戸時代のことである。寛政時代には、川越イモは質がよく最高級品とされていたことと、船での運搬に向いていたためにサツマイモの代表的な産地なった。川越イモは今ではあまり多く栽培されていないというが、川越=サツマイモというイメージが定着しているので、サツマイモを材料にした料理や菓子が多く販売されている。

「川越ハンカチ」のほか、動物の刺繍の入った「十二支ハンカチ」、赤鬼・青鬼の刺繍が入った「節分ハンカチ」が発売されたが、これらにもくれたけ銘石Bが使われている。

 

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2019年

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DVD「三国志司馬懿軍師連盟」のジャケット

チャンネルネコ(CS)で「三国志司馬懿軍師連盟」を観た。2017年の中華人民共和国の大型歴史ドラマである。原題は「大軍師司馬懿」で、第1部「軍師連盟」と第2部「虎嘯竜吟」からなる。気づくのが遅れて第2部からの視聴となった。

全86話である。NHK大河ドラマは全50話にも満たないから、はるかに長い。それでいて毎回面白くて、毎水曜日に2話ずつ放映されるのだが、ついつい引きこまれて時間が経つのを忘れてしまう。そして次の水曜日が待ち遠しくなった。

中国の三国時代、これまであまり描かれてこなかった魏の軍師・司馬懿を、重厚な映像美と壮大なストーリーで描いた超大作である。邦題としてはどうしても「三国志」を入れたかったのだろう。

邦題にもある「軍師連盟」というのは分かりにくいが、解説によれば、「さまざまな軍師たちがライバルでありながらもお互いを認め合い、尊敬し、つながっていることを指す」ということのようだ。

これまで「三国志」といえば諸葛亮孔明が主役であり、司馬懿は永遠のライバル、敵役として描かれることが多かった。この長編ドラマでは、曹操、その息子・曹丕らに仕えた軍師・司馬懿を主役にした視点から描いていることが私には新鮮で、新たな三国志の魅力と面白さが引き出されていると感じた。「三国志」を描いたドラマのうちでも最高傑作といっていいだろう。

日本語字幕のDVDは、カルチャーパブリッシャーズから発売されている。

DVD–BOX1[第一部]第1話~第14話収録(7枚組)

DVD–BOX2[第一部]第15話~第28話収録(7枚組)

DVD–BOX3[第一部]第29話~第42話収録(7枚組)

DVD–BOX4[第二部]第43話~第58話収録(8枚組)

DVD–BOX5[第二部]第59話~第72話収録(7枚組)

DVD–BOX6[第二部]第73話~第86話収録(七枚組)

DVD–BOXのジャケットの画像を見ると、そのタイトルの「司馬懿軍師連盟」が「きざはし金陵M」で組まれていた。わずか7文字だけだが、このような素晴らしいドラマのDVD–BOXのジャケットに使われたことはたいへん嬉しいことである。

チャンネルネコ(CS)では「三国志司馬懿軍師連盟」が、今度は毎週火曜日に再放送されている。第1部の最初から観ることにしよう。