活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

Section 4 DTPと書体のこと

……

 株式会社フォントワークスから、和字書体「はつひやまと」「わかばやまと」「みのりやまと」各ファミリーを制作した。これは『和文フォントガイド』(株式会社玄光社、2000年)に掲載された。

 

f:id:typeKIDS_diary:20210114112918j:plain

 

リョービ・タイプ・コレクション No.8』(リョービ・イマジクス株式会社、2003年)には、日本語書体「ぽっくる」が発売予定として掲載されている。

「ぽっくる」の前には、「イマリス」という書体を株式会社ニィスとの契約によって制作した。さらに「鶴舞」という書体を制作しようとしていたが、これは不採用となった。

その後、リョービ・イマジクス株式会社の依頼で、「花胡蝶」「花蓮華」「花牡丹」各ファミリーの和字書体を制作した。

 

f:id:typeKIDS_diary:20210111131717j:plain

 

東池袋のマンションの一室で「有限会社今田欣一デザイン室」を設立した1999年頃に書いていたエッセイを、株式会社ブッキング(株式会社復刊ドットコムに社名変更)の協力でオンデマンド出版したのが、『タイプフェイス・デザイン事始』(2000年)である。つづいて、『タイプフェイス・デザイン漫遊』(2000年)、『タイプフェイス・デザイン探訪』(2000年)である。

これらの書物の制作には、Adobe PageMaker 6.0Jというページレイアウトソフトを使った。もともとはAldus PageMakerだったのだが、Aldus社がAdobe System社に合併された。一時期には Quark Xpressと並んで、印刷出版業界で普及しているソフトのひとつだった。

 

f:id:typeKIDS_diary:20191201092901j:plain

 

欣喜堂ブランドで制作・販売するようになり、「和字書体三十六景」「ほしくずやコレクション」の和字書体のほか、「龍爪Combination 3」「金陵Combination 3」「蛍雪Combination 3」「銘石Combination 3」という日本語書体を制作した。

これらの書体はすべて、『改訂版・実例付きフォント字典』(パイインターナショナル編、株式会社パイインターナショナル、2018年)に掲載していただいている。

 

f:id:typeKIDS_diary:20210111131805j:plain

 

Adobe System社では、PageMakerでは対応できないニーズに応えるためという理由で、InDesignというページレイアウトソフトを発売していた。仕事としてページレイアウトソフトを使うことはなかったのだが、PageMakerの新規開発が行われなくなったので、否応無くInDesignに乗り換えることになった。『欣喜堂ふたむかし』(2017年)、『活字書体の履歴書[青春朱夏編]』(2018年)、『欣喜堂立志篇[完全版]』(2012年・2019年)などは、勉強不足ながら、Adobe InDesign CS6を使って制作した。

 

f:id:typeKIDS_diary:20200116130931j:plain

 

引き続き、欣喜堂ブランドでは「和字書体十二勝」「ほしくずやコレクション」の和字書体と、日本語書体「陳起Combination 3」「志安Combination 3」を制作、「武英Combination 3」「方広Combination 3」を制作中である。

Adobe InDesignは、現在はAdobe InDesign CCとなっている。プログラムをインターネット経由でダウンロードし、その使用料金を毎月もしくは年単位で支払うことで利用できるサブスクリプション方式でのみ提供されるようになった。

まだ先のことで、どうなるかわからないけど、これから制作する予定の『活字書体の花舞台」、『欣喜堂四半世紀』、『活字書体の履歴書[白秋玄冬編]』、『欣喜堂而立篇』などは、Adobe InDesign CCを使うことになるだろう。