活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

水のはなし4

ある日のこと、実家近くの原野でボーリングが始まった。こんなところで温泉など湧くことはないだろうと思っていたが、案の定、数年すぎても温泉が湧いたという話は聞かなかった。ところが、執念というか、とうとう鉱泉(温度が低かったようだ)を掘り当てたというのだ。
 その名を「大中山温泉」という。プレハブのコンテナを利用した建物に、大きな文字で「大中山温泉」とだけ書かれていた。バスの停留所も設けられた。そのうち立派な建物が立つのだろうと思ったが、ずっとそのままだった。500円で入浴できるが、お世辞にもきれいとは言えないので、近くにあるのに入ったことはない。噂によると、泉質としてはよかったらしい。温泉は2014年3月で閉鎖された。
 現在は大中山温泉水振興会として、大中山温泉水素水「ハイドレート」を販売している。大中山温泉の地下1000mより湧き上がる鉱泉水で、最初から水素を含んで湧き上がっているそうだ。