小学生の頃、「農繁期休暇」といって田植えの時期には学校が休みになった。休みといっても農作業の手伝いをするのである。
田植えのときには、家族はもちろんのこと親戚がそろって一列に並んで手作業で植えていた。ときにはアルバイトの人も来ていたように思う。低学年の頃には、苗を植える位置を示す「綱」を移動させる要員である。高学年になって、やっと植える作業をさせてもらえた。田んぼに素足で入るので泥だらけである。
お昼になっても家には帰らなかった。みんなであぜ道でおにぎりをほおばる。塩味だけで何も入っていないおにぎりとたくあん。それが一番のごちそうだった。