はやいだけがとりえ
夏休みの宿題などでも、追い詰められるのがいやで、だいたいが予定よりはやく終わらせることが多かった。大学での課題も、一番先に提出することを心がけていた。ほかのひとが徹夜で作業をしているのを横目にゆっくりと寝ていたものだ。それで「作品のできはわるいが、はやいだけがとりえ。それで点数だけはいい」などと陰口をされていた。そういえば、1月末が締め切りのコンペの出品作でも、12月末にはほとんど仕上がっており、1月の中旬にはもう送ってしまっていた。そのくせがいまもぬけない。大学の課題やコンペの出品作などはやりっぱなしでもいいが、商品となるとそうはいかない。せっかちの後始末に四苦八苦している。