活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

歌い手のはなし5

………

弘田三枝子・50代の代表曲「東京27時」

 

www.youtube.com

 

弘田三枝子さんの50代は、あらゆるジャンルの楽曲を貪欲なまでに受け入れ、それに合わせた歌唱法を編み出していきます。そして流行のサウンドも取り入れていきます。『華麗度 MICO is Kaleidoscope』(MSI、1978年)は、新曲「I Still Love You Baby」で始まり、筒美京平の曲をメドレーで、「人形の家」をサルサ・バージョンで、自作曲の「雪色のサンバ」、ビートルズの「のっぽのサリー」、ナット・キング・コールの「スマイル」まで、ジャンルを超えた6曲が並びます。

『東京27時』(日本コロムビア、1999年)は、小西康陽コモエスタ八重樫らのプロデュースで、新曲の「東京27時」(作詞・作曲:小西康陽)のほか、「子供じゃないの」と「VACATION」、「レオのうた」(作曲:冨田勲)はリミックス、「可愛い嘘」(作曲:筒美京平)「あなたがいなくても」(作詞:なかにし礼)はセルフカバーです。

50代を代表する曲としては、日本コロンビアに復帰して新しく録音されたオリジナル曲として「東京27時」を挙げたいと思います。

f:id:typeKIDS_diary:20210305084844j:plain

追記1 ピチカートファイブとのコラボレーションとしては、『pizzicato five in the bag』に収録されている「ダーリン・オブ・ディスコティック」(2000)、『REMIXES 2000』に収録されている「パーフェクト・ワールド」(2000)があります。

 

f:id:typeKIDS_diary:20210305084812j:plain

追記2

サルサ人形の家」には驚かされました。オリジナル版ではカンツォーネ風に歌い上げ、英語版ではジャズバージョンでソウルフルに歌っているのに対して、このサルサ・バージョンでは軽やかにあっさりと歌っています。ひとつの曲をひとりで歌い分けてしまう、それが弘田三枝子なのです。

 

f:id:typeKIDS_diary:20210208100933j:plain
追記3

ジャズのライブ盤として『MICO Jazz Live in Kitakyushu』(一九九八)が発売されています。北九州市小倉のライブハウス「BIG BAND」で一九九七年に収録されたものです。