活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

指定の文章をいろいろな書体で組む試み

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『明朝活字』(矢作勝美著、平凡社、1976年)には、指定の文章を、金属活字、写真植字の各社による本文用近代明朝体で組んだ見本が掲載されている。明朝活字について書かれた書物なので本文用近代明朝体に限られるが、同じ文章で見比べることができてわかりやすい。

 

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(金属活字の部)

活字メーカーのもの

モトヤ、錦精社、日本活字工業、文昌堂、後藤活字、弘栄(旧岩田母型)

自社用の活字書体を整備している印刷会社のもの

大日本印刷凸版印刷図書印刷、大日本法令、精興社、研究社印刷三省堂、第一印刷、理想社大蔵省印刷局

※判型A6判、9pt、38字詰、14行、行間9pt(後藤活字、弘栄、日本活字工業は8pt)

 

(写真植字の部)

写植機メーカーのもの

写研(本蘭細明朝体)、モリサワ

印刷会社のもの

東京印書館

※判型A6判、13Q、38字詰、14行、行間13Q

 

例えば、『MORISAWA PASSPORT 本文組見本帖』(モリサワ、2013年)など、同じ文章を、同じレイアウトで、いろいろな書体を組むということは、現在のデジタルタイプでも広く行われている。

『写植NOW』[2][3](写研、1974年)では、いろいろな書体を、同じ文章、同じレイアウトに加えて、タイプサイズ、行間ごとに系統立てて、組み見本を作成している。