活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

衣・裳のはなし5

はじめてのスーツは、大学への入学が決まったときに両親がつくってくれた。親戚にテーラーの人がいて、生地を選んで、採寸をして、仕立ててもらった。紺ではなく青いスーツだった。後にも先にもオーダーメイドのスーツはこれだけだった。
 会社に入ってからは、もちろん自分で、吊るし(既製品)のスーツを購入した。通常は作業服に着替えるので、スーツで通勤することはなかった。あまり着ないまま、どんどんサイズが合わなくなったり、時代遅れになったりしていった。もったいないことだった。
 今は滅多にスーツを着ない。というか、持ってもいない。礼服のほかには、ジャケットが少しあるだけだ。だから未だにスーツを着こなせないでいる。