活字書体をつかう

Blog版『活字書体の花舞台』/『活字書体の夢芝居』/『活字書体の星桟敷』

読み手と語り手と8

『声に出して読みたい日本語』(斎藤孝著、草思社、2001年)が出てから15年になる。声に出して読みたくなる口上や早口言葉、古典の名句を集めた暗誦のテキストで、その後も『声に出して読みたい日本語6』までシリーズされた。『子ども版声に出して読みたい日本語』全12巻、『声に出して読みたい古事記』、『声に出して読みたい論語』、『声に出して読みたい新約聖書』など増殖し続けている。
 さらには『あの声優が読むあの名作』(斎藤孝監修、マガジンハウス、2010年)というCDブックも出ていた。「ベストセラー『声に出して読みたい日本語』の著者と人気アニメ声優の奇跡のコラボ!」と銘打って、石田彰の『蟹工船』(小林多喜二)、田中理恵の『春琴抄』(谷崎潤一郎)、杉田智和の『人間失格』(太宰治)、平野綾の『夢十夜』(夏目漱石)など、名作文学18編の名場面を抜粋して朗読している。